プロロジスのHAZMAT(危険物)倉庫開発
プロロジスがこれまでに開発した、HAZMAT(危険物)倉庫併設の物流施設は15棟に上ります。1社専用のBTS型物流施設への併設はもちろんのこと、マルチテナント型施設への危険物倉庫併設についてもノウハウを持っています。
「HAZMAT倉庫」は、保管する物品によって仕様が変わりますが、あらかじめ引火性液体の性質を有する「第4類の危険物」を保管する想定で開発を進め、入居カスタマーが決まった後に必要な消火設備を付帯することで、マルチテナント型施設においても危険物の保管が可能になります。
プロロジスはこれからも、カスタマーの危険物保管ニーズに対応することができる施設開発を進めてまいります。
HAZMAT(危険物)倉庫とは
「HAZMAT(危険物)倉庫」とは、法律において「危険物」と定められている物品を保管するための倉庫です。
「危険物」と言えば、工業用薬品などをイメージしがちですが、人々が日常で使用する化粧品や香水・ヘアスプレーなども、その成分量に応じて「危険物」として扱われることがあります。また、新型コロナウィルスの流行によって、アルコール消毒液等の流通が増加しており、危険物の取り扱いに関するコンプライアンスの順守を求める動きが加速しています。
こうした産業界の動きに対応するべく、物流施設開発会社では、危険物を保管することができる物流施設の開発を進めており、危険物の専用倉庫を開発する動きも見られます。一方で、EC商材保管需要の著しい増加により、まとまった規模で危険物倉庫を建設できる土地、特に工業専用地域は多くないのが実情です。
HAZMAT(危険物)倉庫における様々な規制
出所:三和建設株式会社ウェブサイト
種別 | 性質 | 分類 | 具体例 | 指定数量 |
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第1類 | 酸化性固体 | - | 塩素酸塩類・よう素・酸塩類など | 50kg 300kg 1,000kg |
第2類 | 可燃性固体 | - | 鉄分・マグネシウムなど | 100kg 500kg 1,000kg |
第3類 | 自然発火性性質・禁水性物質 | - | ナトリウム・黄リンなど | 10kg 20、50kg 300kg |
第4類 | 引火性物質 | 特殊引火物 | 引火点:-20℃未満 ジエチルエーテル | - |
第一石油類 | 引火点:21℃未満 ガソリン・ベンゼンなど | 200L 400L(水溶性) | ||
第二石油類 | 引火点:70℃未満 灯油・酢酸など | 1,000L 2,000 L(水溶性) | ||
第三石油類 | 引火点:200℃未満 重油・グリセリンなど | 2,000L 4,000L(水溶性) | ||
第四石油類 | 引火点:200℃以上 シリンダー油・ギヤ―油など | 6,000L | ||
動植物油類 | 引火点:200℃以上 オリーブ油・ゴマ油など | 10,000L | ||
アルコール類 | アルコール含有率60%以上 メチルアルコールなど | 400L | ||
第5類 | 事故反応性物質 | - | ニトロ化合物・ジアソ化合物など | 10kg 100kg |
第6類 | 酸化性液体 | - | 過酸化水素・硝酸など | 300kg |
引火点によって第一石から第四石に分かれる。引火点250℃以上は非危険物。 アルコール類は引火点で定義せず、アルコール含有率60%以上。 |
用途地域 | 用途地域 | 建設可否 |
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① 市計画区域/市街化区域内の 用途地域別制限 | 第一種低層住居専用地域 第二種低層専用地域 第一種中高層住居専用地域 | 貯蔵できない |
第二種中高層住居専用地域 第一種住居地域 第二種住居地域 順住居地域 | 指定数量の5倍未満 | |
近隣商業地域 商業地域 | 指定数量の10倍未満 | |
準工業地域 | 指定数量の50倍未満 | |
工業地域 工業専用地域 | 貯蔵制限なし | |
② ①以外で建設可能な地域 | 都市計画区域内の日線引き区域(市街化調整区域は所管行政庁への確認が必要) | |
都市計画区域外 | ||
臨港地区(建築基準法の用途地域の構築物制限は適用されない) 商港区・特殊物資工区・工業港区・保安港区・マリーナ港区・修景厚生港区がある ※保安港区以外は要注意 |
区分 | 空地の幅 | |||
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当該建築物の壁、柱、床が耐火構造である | 左欄に掲げる場合以外 | |||
建築種類区分 (抜粋) | 平屋建て | 6m未満 | 屋内貯蔵庫 | 一般的な危険物倉庫 |
20m未満 | 高層屋内貯蔵庫 | 2種・4種のみ可能 | ||
指定倍数50倍以下 | 特定屋内貯蔵庫 | 屋内貯蔵所より 耐火要件が少ない | ||
平屋以外 | 2種・4類(3石4石) | 平屋以外屋内貯蔵庫 | 多層階とすることもできる | |
建築物内設置 | 指定数量20倍未満 ※階高6m未満、 面積75㎥以下 | 建築物内貯蔵所 | 工場建屋内に設ける場合等 | |
一般的な危険物倉庫 (屋内貯蔵所)を ベースに代表的な 制約基準 | 床面積 | 1,000㎡を超えないこと。棟別ならOK | ||
高さ | 軒高が6m未満であること | |||
屋根 | 天井は設けられない (爆発がおきても、爆風が屋根を抜けていくようにするため:放爆構造) | |||
床 | 傾斜をつけて溜枡が必要、引火点70未満は上記排出設備を設けること | |||
避雷針 | 指定数量10倍以上は必要 | |||
保安距離と 保有空地 | 保安距離 | 火災時などに付近の住宅、学校、病院の保安対象物に対して影響が及ばないように
⇒ 後に学校が経っても保安距離の離隔は求められる | ||
保有空地 | 消防活動と延焼防止のために建物の周囲に空地を設ける必要がある
*1,000㎡の危険物倉庫に保有空地5mを加えると1,750㎡ |