プロロジスは、「2025年度版グローバルサプライチェーン動向」を発表しました。調査は、2024年9月に、アメリカ、イギリス、ドイツの経営幹部1,000名以上を対象に実施しました。調査結果のレポート全文は、ウェブサイトよりダウンロード可能です。

予期せぬ事象への備えや、AI活用について改善の余地

物流不動産の所有・運営・開発のリーディング・グローバル企業であるプロロジス(NYSE:PLD、日本本社:東京都千代田区丸の内)は、「2025年度版グローバルサプライチェーン動向」を発表しました。

この調査報告によって、多様な業界のビジネスリーダーが、経済の不安定性、顧客需要の変動、気候問題といった「ポリクライシス(多重危機)」への備えに課題を感じていることが明らかとなりました。また、強靭なサプライチェーン構築・維持のためには、迅速性・柔軟性が不可欠であることを示唆する結果となりました。
調査は、2024年9月に、アメリカ、イギリス、ドイツの経営幹部1,000名以上を対象に実施。調査結果のレポート全文は、以下よりダウンロード可能です。

調査全文(英語)

調査概要・全文(日本語) 

■ 調査の背景・目的:

プロロジスは、カスタマーおよび物流業界の課題解決に取り組むとともに、業界のオピニオンリーダーとして情報発信に努めています。この度の調査は、不確実性の高いビジネス環境においてグローバル企業のリーダーがサプライチェーンの課題にどのように向き合っているかを明らかにすることで、経営戦略の策定やビジネスオペレーション最適化のための知見を得ることを目的としました。

プロロジスは今後も入居企業の物流効率化のニーズに応えるとともに、物流業界の課題解決、サプライチェーンマネジメント、業界に関する情報発信に取り組んでまいります。

■ 調査概要:

  • 調査期間: 2024年9月4日~19日
  • 調査対象:
    • 従業員250名以上の企業経営幹部、計1,025名
      (米国:508名、英国:263名、ドイツ:254名)
    • 回答者の3分の1が、年間収益20億ドル以上の組織に勤務
  • 調査方法: オンライン調査(プロロジスの依頼により、ハリス・ポール社が実施)

■ 主な調査結果:

66%がサプライチェーンに関する強い課題感

調査回答者の3分の2(66%)が「サプライチェーンの課題に対して強い危機感を感じている」と回答。特に以下についての懸念が大きい。

  • 86%:「経済的および地政学的なプレッシャーが、製品の製造と保管の場所に関する意思決定を左右している。」
  • 71%:「エネルギー源の転換を迫られている。」
  • 70%:「サプライチェーン投資について、投資効果の最大化のためにはどのように配分すべきかの判断が難しい。」

サステナビリティと持続可能なサプライチェーン

サステナビリティや持続可能なサプライチェーンは、大半の回答者にとって最優先事項となっていることが明らかとなった。

  • 85%:「サステナビリティを主要なビジネス目標と認識している。」
  • 79%:「代替エネルギー源への移行ペースが遅すぎると感じる。今後24か月で加速させる必要がある。」
  • 88%:「自社が長期的なサステナビリティ目標を達成することを重視している。」
  • 87%:「財政的な制約が緩和され次第、持続可能なサプライチェーン構築のためにより多くの資本を投資する計画だ。」

自動化:サプライチェーン改善の原動力

自動化は、物流効率化、コスト削減、生産性向上などの点で、物流オペレーションに変革をもたらしており、経営陣はますます自動化を進めている。また、労働力不足も自動化の推進要因となっている。

  • 77%:「2025年の見通しとして、労働力不足や労働問題を懸念している。」
  • 87%:「サプライチェーンにおける自動化ソリューションへの投資が、雇用関連の問題(労働者の負担軽減、労働力不足の解消等)を大幅に減らす。」

人工知能:サプライチェーン革新に活用

人工知能(AI)は、需要予測、リアルタイムデータ分析、リスク緩和といった高度な分野で活用されている。AIの活用により、市場変化を予測し、代替シナリオを計画し、混乱に対してより効果的に対応することが可能となっている。AI導入への必要性が高まる一方、回答者の94%がAI導入にあたって課題抱えていることが浮き彫りとなった。

  • 80%:「業界内で競争力を保つためにAIを採用するよう外部から大きな圧力を受けている。」
  • 94%:「AIの採用を阻む課題(セキュリティ懸念、データ品質、チェンジマネジメント、導入の煩雑さ等)に直面している。」

予期せぬ事態への備え:大多数の最優先事項

自然災害、規制の変化、予想外の政治的出来事など、ビジネス環境が常に変化する中、事前に予測できずかつビジネスに多大なインパクトを与える「ブラックスワン」事象への準備は、87%の回答者にとって最優先事項となっている。

また、大半の回答者が「予想外の混乱に対しては脆弱であり改善の余地がある」と考えている。調査の結果、サイバー攻撃(42%)、技術的混乱(41%)、規制変更(40%)、労働市場の変動(39%)といった課題への準備ができていると感じている回答者は約4割にとどまり、対策の不十分さが明らかとなった。貿易戦争(36%)や世界的なパンデミック(34%)への準備が整っていると答えた回答者はさらに少ない。

リスク管理戦略の見直しの必要性、サプライチェーンにおける柔軟性や冗長性を確保する重要性を示唆する結果となりました。
 

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