プロロジスが4月に開設予定のインキュベーション施設「inno-base TOKYO-OSHIAGE」のプレオープンイベントを開催しました。「inno-base TOKYO-OSHIAGE」設立の背景や、物流施設の自動化の実態を説明しました。

東京都墨田区の「SUMIDA INNOVATION CORE(SIC)」にて、4月よりプロロジスが開設予定のインキュベーション施設「inno-base TOKYO-OSHIAGE」のプレオープンイベントを2月13日に開催しました。

イベントには自治体職員やベンチャー企業社員など約50人が参加。プロロジス開発部の担当者が「inno-base TOKYO-OSHIAGE」設立の背景や、物流施設の自動化の実態を説明しました。当日の様子を2回にわたって紹介します。

2回目はこちら:『物流施設自動化の実態調査』その結果は?

【プロロジス 開発本部長 中村明夫】

■ 物流不動産に新たな価値 インキュベーション施設の役割

私どもがスタートアップを支援する「インキュベーション施設」を運営する理由についてご説明いたします。プロロジスでは、数年前に「ビジョン2030」という長期ビジョンを策定し、2030年に向けた企業の方向性を定めました。その中でも特に重要なテーマの一つとして、「物流不動産に革新的な付加価値をもたらすこと」を掲げています。

■ 物流の未来を共創するスタートアップ支援拠点へ

「inno-base」 という場は、私たちのパートナーとなるスタートアップ企業を発掘し、プロロジスのネットワークに組み込むことで、弊社の物流施設を利用しているカスタマーとともに成長できる環境を提供することを目的としています。弊社のプラットフォームを活用することで、スタートアップの皆様には実証実験の機会や市場との接点を得ていただき、カスタマーには新たな技術やサービスの導入機会を提供するという、相互にメリットのある関係を築いていきたいと考えています。

プロロジス 中村明夫(3636)
プロロジス 開発本部長 中村明夫

実際に、過去に「inno-base」に入居したスタートアップ企業に対してプロロジスが出資を行ったケースもあります。弊社は単なる出資にとどまらず、出資後もパートナーシップを結び、弊社のプラットフォーム上でともに事業を展開していくことを重視しています。「プロロジスアーバン東京押上1」に新設する「inno-base TOKYO-OSHIAGE」についても、同様にスタートアップ企業、カスタマー、そして弊社の三者が協力しながら、新しい価値を創出する場にしたいと考えています。

【プロロジス 開発部長 森田大輔】

■「inno-base TOKYO-OSHIAGE」
  物流ビジネスの変革を創出

東京スカイツリーのすぐそばに、「プロロジスアーバン東京押上1」という物流施設があります。元々、物流センターだった建物をプロロジスが改修し、現在は物流会社にご利用いただいています。その最上階にはオフィスフロアがあり、一部を賃貸していますが、未使用のスペースがありました。今回、そのスペースをリニューアルし、インキュベーション施設へと改装しました。4月より開設する予定です。

現在工事中ですが、こちらが完成イメージです。

プロロジス 森田大輔(3636)
プロロジス 開発部長 森田大輔

 

inno-base TOKYO-OSHIAGE(施設内構成|9654)

施設は大きく2つのエリアに分かれています。入口付近のシェアオフィスには、オリジナルの家具を配置しています。12席に対して約24社の利用を想定しており、気軽に作業できる環境を目指しています。奥のエリアには専用ブースを設置し、ご契約いただいた方が専用スペースとして利用できるようになっています。

■ 施設の特長と想定している入居企業

この施設の大きな特長の一つとして、茨城県つくば市にある「inno-base TSUKUBA」との連携があります。そこには実証実験エリアが設けられており、物流関連のロボットの試験などが可能です。ドローンの利用には制限がありますが、主に物流を支援するロボットの実証実験を行える環境を整えています。「inno-base TOKYO-OSHIAGE」の入居者は、この実証実験エリアも利用できる点が大きなメリットです。

今回の施設では、特に弊社との相乗効果が期待できるスタートアップ企業や、大企業で新たに物流分野に進出する企業を対象にしています。物流業界に新しいサービスを展開する企業も増えているため、そうした企業にも積極的にご活用いただきたいと考えています。

また、弊社の物流施設では大規模な屋根を活用し、太陽光発電事業を展開しています。そのため、エネルギー関連企業も対象としています。

inno-base TSUKUBA(実証実験スペースイメージ|6436)

■「inno-base TOKYO-OSHIAGE」 スタートアップ支援プログラム

この施設に入居すると、どのような支援を受けられるのかという点についてですが、「inno-base TOKYO-OSHIAGE」では、「ハード」と「ソフト」の両面で支援を行うことをテーマにしています。「ハード面」では、オフィスエリアや実証実験エリアを活用いただけます。スタートアップ企業は、企画開発から実験、製品開発、市場導入といったプロセスを経て成長していきます。弊社は、それぞれの段階に応じた支援を提供していきます。

inno-base TOKYO-OSHIAGE(専用ブース|9654)

「ソフト面」では、例えば「製品のアイデアはあるが、市場に受け入れられるか分からない」といった課題を抱える企業に対して、弊社の物流パートナーと直接対話する機会を提供します。また、弊社が企画するイベントで製品を展示し、物流企業やEC事業者に実際に見てもらう機会を設けるなど、販路開拓の支援も行います。

さらに、施設の運営を担当する「ツクリエ」は、スタートアップ育成の専門家集団です。物流やエネルギー分野に限らず、人材確保や資金調達など、スタートアップ特有の課題についてもサポートできる体制を整えています。

■「inno-base TSUKUBA」 支援実績

最後に、つくば拠点(「inno-base TSUKUBA」)での支援実績についてご紹介します。こちらは2023年4月にオープンし、まもなく2年を迎えます。入居企業の中には、例えば「理想科学工業」様のように、大手企業でありながら新規事業として物流分野に参入した企業もあります。他の入居企業は、いわゆるスタートアップ企業が中心です。

入居企業は、弊社の事業との親和性や製品の成熟度に応じて分類されています。つくばでは、スタートアップの成長段階に応じた支援を行っており、例えば、物流企業とスタートアップをマッチングさせることで、実際の現場で試作品を試験できる機会を提供しています。

inno-base TOKYO-OSHIAGE」についても、弊社は物流業界に広いネットワークを持っており、これを活用しながらスタートアップの成長を支援していきたいと考えています。
(プロロジス 開発部長 森田大輔)

inno-base TOKYO-OSHIAGE(イベントの様子|9654)

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