2023年11月28日に竣工式を迎えた岩手県紫波郡矢巾町のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡」。
エントランスに入ると、赤や青、黄色とカラフルな意匠が壁面に施されていました。おばあちゃんの家にあるコタツ掛けのような色合いは、懐かしく、温かい印象を与えます。
担当したのはプロロジス コンストラクション・マネジメント部ディレクターの松野亙吾。このデザインは北東北に古くから伝わる「南部裂織(さきおり)」をモチーフにして作られたといいます。
南部裂織は、綿が貴重だった昔、古くなった着物を捨てず、細かく裂いて横糸にし、織り機を用いて織った布です。一般に、コタツ掛けや帯、テーブルカバーなどに使われます。
一級建築士でもある松野は、「ものを大切にする」というエコな精神や、偶然から生まれるランダムな配⾊にほれ込みました。そして、何よりも、「地域に根差したデザインを採用することで、地域に根付いた施設になって欲しい」との想いが松野を突き動かしました。
内装材として実際に使われている南部裂織は、地元の障害者支援施設「新生園」に入所する方々が作ったものです。このほかにも、織物の特徴である縦横の模様が交差するデザインモチーフが建物の各所に採用されています。足を運んだ際は、ぜひ、デザインにも注目してください。