プロロジスと住友生命は、バーチャルPPAサービス契約を締結しました。電力とその環境価値を切り離して別個に流通させるバーチャルPPAを活用することで、住友生命は対象設備の発電量分の環境価値を証書として手に入れることができます。 |
5.8MWの再エネ環境価値を20年にわたり提供
物流不動産の所有・運営・開発のリーディング・グローバル企業であるプロロジス(日本本社:東京都千代田区丸の内、代表取締役会長 兼CEO:山田 御酒)と住友生命保険相互会社(取締役 代表執行役社長 高田 幸徳、以下「住友生命」)は、バーチャルPPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)サービス契約を締結しました。住友生命にとって、バーチャルPPAサービスの活用は初めてです。FIP制度*1を活用します。プロロジスが開発した物流施設「プロロジスパーク岡山」と「プロロジスパーク盛岡」の屋根面に可能な限り設置される太陽光発電設備を活用します。
■ 契約内容: 事業継続性・屋根設置太陽光が評価され20年にわたる長期契約を締結
プロロジスは住友生命に「プロロジスパーク岡山」で設置した太陽光発電設備の発電量全1.2メガワット分の環境価値と、「プロロジスパーク盛岡」の屋根太陽光発電容量5.7メガワット分のうち4.6メガワット分を20年にわたり提供する予定です。太陽光設備が、世界最大手のプロロジスの物流施設に設置されているため、高い事業継続性が見込めることや、FIP基準価格が高い「屋根設置」*2太陽光を活用できることなどが評価され、長期締結に至りました。提供開始時期は2025年12月からです。「プロロジスパーク盛岡」の発電容量の残り1.1メガワットは同施設への自家消費へ振り分けます。
■ バーチャルPPAについて
一般にPPAは発電事業者が電力の需要家に再生可能エネルギー電力を直接売却する契約形態を指しますが、バーチャルPPAは電力とその環境価値を切り離して別個に流通させる形態をいいます。そのため、発電事業者は物理的な制約を受けず、離れた場所からの環境価値提供が可能となり、需要家はこれまで通り小売電気事業者と電気需給契約を結びながら契約対象設備の発電量分の環境価値を証書として手に入れることができます。
さらに需要家は、新たな再エネ発電設備に直接投資出来るため、再エネが増える「追加性」を持ち合わせており、社会全体の再エネ拡大に貢献できます。不動産業界がバーチャルPPA契約を締結するのは珍しいことです。
■ 住友生命のカーボンニュートラル社会実現への貢献に向けた取組み
住友生命は、地球環境は持続可能な社会の基盤になるとの認識のもと、事業活動において生じる環境負荷の低減や生物多様性等に配慮するとともに、脱炭素社会への移行を促すことで、カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指しています。
その一環として、2030年までに国内使用電力の脱炭素化(住友生命単体)を目指し、再生可能エネルギーの導入を進めています。また、再生可能エネルギー導入の目標や、長期的な脱炭素化への取り組みとしてPPA契約の活用や温室効果ガス削減に関する目標を掲げています。今回のプロロジスとのバーチャルPPAサービス契約の締結もこの目標達成に向けた取り組みのひとつなります。
※住友生命の持続可能な社会実現に向けた取り組みの詳細はこちら
■ プロロジスのネットゼロにむけた取り組みと「プロロジス・グリーン・ソリューション」
プロロジスは2040年までに、バリューチェーン全体(スコープ1・2・3)で温室効果ガス排出のネットゼロを目標としており、温室効果ガス削減のためのさまざまな施策を展開しています。また、プロロジスの事業運営における削減にとどまらず、入居企業の電力グリーン化・環境負荷軽減を支援する「プロロジス・グリーン・ソリューション」を進めています。2023年1月には東京オフィス内に「エネルギー事業室」を新設。新規エネルギー事業や、再生可能エネルギーの活用に取り組むとともに「プロロジス・グリーン・ソリューション」の一環としてカスタマーの電力グリーン化を支援しています。
今回活用する「プロロジスパーク岡山」と「プロロジスパーク盛岡」の太陽光発電設備は、ネットゼロに向けた中間目標として定めている「2025年までに1GWの太陽光発電キャパシティ(蓄電池分を含む)」実現に寄与するものです。
■ ESGレポート
世界19か国でのESG目標に対する進捗をまとめた2023-24年のESGレポートを発表しました。
プロロジスは今後も事業運営における環境負荷軽減に取り組むとともに、再生可能エネルギーの提供やエネルギーマネジメントを通して、カスタマーのサステナビリティに関する目標達成をサポートしてまいります。
*1フィードインプレミアム(Feed in Premium)制度の略称。再エネ発電事業者が発電した電気を卸電力取引市場や相対取引で売電をした際に、電力広域的運営推進機関が基準価格(FIP価格)と市場価格の差額をプレミアム額として交付する制度。
*2 2024年度以降、太陽光発電のFIP基準価格は「地上設置」・「屋根設置」に区分されるようになった。屋根設置の太陽光設備は原則、地上設置よりも基準価格が引き上げられるなど、優遇措置が受けられる。立地制約の克服や地域共生が相対的に達成しやすいことから、国が「屋根設置」の太陽光発電導入を推進していることが背景にある。