東北エリア最大級のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡」(岩手県紫波郡矢巾町)。
エレベーターで2階に昇り、扉が開くと幾何学模様に赤や黄、緑色といった多彩な色を施したアート作品が飾られています。カフェテリアの壁面にも同様の絵画があり、歩く足を思わず止めてしまう人もいます。
絵画は、「異彩を、放て」をミッションに掲げ、国内外の主に知的障害のある作家や福祉施設とアートのライセンス契約を結び様々な事業を展開する福祉実験カンパニー・株式会社ヘラルボニー(本社:岩手県盛岡市)の契約作家・八重樫季良さんのアート作品です。八重樫さんは小さなころからマーカーと定規を用いて、幾何学模様を描いてきました。県内外の展覧会で賞を何度も受賞しており、2019年には同県花巻市のJR花巻駅の駅舎の窓100枚以上に作品がラッピングされるなど、注目を集めています。
【八重樫季良さんの作品について】
https://www.heralbony.jp/artists/kiyoshi_yaegashi
「彼は、当社を創業時から支えていただいた作家のひとり。地元を代表し、施設に関わる皆さんと共に岩手県を盛り上げていけたら」(ヘラルボニー担当者)
絵画の装飾を提案した従業員は、次のように語っています。
「色鮮やかな八重樫さんの作品を雑誌で見て、一目惚れしました。『ヘラルボニー』を調べてみると、偶然にも盛岡の企業で、運命を感じました。地域に根差して福祉を起点に新たな文化を作り出しており、多くの従業員が共感するとも思いました」(中山博貴:プロロジス 開発部ディレクター)
施設内装の色にこだわりを持つ従業員が多い中で、中山の案には誰も反対しませんでした。
「設計の都合上、カフェテリアの一部に窓を設置出来ないことに頭を抱えていました。無機質だった空間に、ステンドグラスの光が入ったようで、作品が地域との共生にもつながってくれるとうれしいです」(松野亙吾:プロロジス コンストラクション・マネジメント部ディレクター 「プロロジスパーク盛岡」意匠担当)